サメと公園
サメを公園に埋めた事があります。
10年ほど経ったある日のニュースでそれが「不法投棄」である事に気付いて、そわそわしたのを覚えています。
学生時代、ちょっと変わった創作料理屋でバイトしていた時の出来事。
オーナーのエゴで飼われていた3匹のサメが、暑さに負けて次々と死んでいく悲しい事件が起こりました。
凶暴なサメ達の水槽掃除や餌やりは、そりゃぁもう大変で(ブラシやトングに噛み付いてきたりする)苦労していた私ですが、「慣れると可愛いもんやな」と思っていました。
週が明けるごとに減って行くサメたちに従業員は「オーナーにしばかれる」と震えていましたが、私はただただ悲しかった。
最後の1匹は何としてでもっ!!と気を使ってはいたものの、私の勤務中に水槽に浮かんでいることに気づきました。
そこで料理長はバサッ!!とゴミ箱にサメを投げ入れたんです。
「何てことするんですか!!」と私はゴミ箱からサメを拾いました。
(鮫肌ってほんまにザラザラやん)とその時思った。
「んじゃ、どうするん?好きにすれば?」と言われてしまい、私は休憩時間サメと大きいスプーン(スコップ代わり)を持って公園へ行き、泣きながらサメを埋めました。
この一連の流れを美容院で話すと、担当さんが大爆笑。
「前から変やとは思ってたけど、マジで面白いな。何で?なんでなん?何で埋めたん?迷惑やん」となんでなんでの質問攻め。
そんなにおかしい事なのでしょうか?
子供の頃、誰もが金魚を埋めたことがあるはずでは?
その後も鳩や雀、カラスが倒れているのに良く遭遇してしまうのですが
埋めるのは不法投棄と知った今、そっとハンカチをかけて道路の脇に寄せて手を合わせることにしています。
だけどどこか埋めてあげられない事に罪悪感を感じてしまう。